公開日 2018年05月01日
最終更新日 2018年07月31日
自宅で最期のときを迎えたいという希望を前提として、在宅医療を選択する人も少なくありません。
患者本人の意志と家族の理解のもと、在宅医療に関わるスタッフ全員で共通の認識を持って、穏やかな最期に備える必要があります。
患者本人および家族の希望と意志決定を最優先し、
エンドオブライフを含めた在宅医療のサポートもあります
病院のベッドの上ではなく、最期は住み慣れた自宅で過ごしたいという希望から、在宅医療を選択する人もいます。
そのため、現在、患者本人および家族のそのような希望を優先し、在宅での看取りまでを前提とした在宅医療も増えてきています。
とくに、がんなどにともなう強い痛みや精神的な苦痛などを医療でやわらげ、自宅で有意義な時間を過ごしたいという意志を尊重する医療や看護、いわゆるエンドオブライフケアにより、在宅での看取りができるようになってきています。
エンドオブライフケア(人生の最期を支える医療)とは?
入院治療をしたとしても治癒は期待できないような、末期のがんや筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの病気の場合、患者本人および家族の生活の質(QOL=クオリティー・オブ・ライフ)を重視し、希望により自宅でのケアを主体に行う医療です。
積極的な延命措置よりも、支持的治療として痛みを緩和したり、精神面のケアを重視した総合的な治療が中心となります。
終末期医療、緩和治療ともいわれています。
いざというときにどうするか、患者本人、家族、
かかりつけ医で意思統一をしておきましょう
在宅医療を進めていくうえで、最期のときをどう迎えるかについては、あらかじめ患者本人と家族の間で共通の意識を持っておくことが大切です。
末期に急変した場合どうするのか、どこまでの治療を希望するのか、本人、家族ともに納得できるようなプロセスを、かかりつけ医をはじめとした在宅医療のスタッフなどと、ふだんからきちんと相談しておくようにしましょう。
エンドオブライフケアを進めるうえで大切なこと
エンドオブライフケアを進めていくうえで、将来の状態の変化に備えて患者、家族、医療スタッフとでケア全体の目標や、心肺蘇生、人工呼吸、人工栄養、緩和治療など、具体的な治療・療養方法について話し合うプロセスが重要です。
これを「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」といいます。
そのためには、「インフォームド・コンセント」と「リビングウィル」が大切です。
インフォームド・コンセントとは、「正しい情報を得た上での同意」を意味します。
どのような病気なのか、治療の必要性と効果はどのようなものか、治療の期間はどのくらいかなどを理解した上で治療を受けることで、治療上のトラブルなどの回避が望めます。
また、リビングウィルとは、病気の終末期に自分がどのような治療やケアを受けたいのか、意思決定能力が失われた後も尊重されるように、事前指示書(エンディング・ノート)として書面にしておくことをいいます。
在宅医療は、患者、家族とそれをサポートする医療・介護スタッフなどの連携によって成り立っています。
ぜひ最期のときを迎えるまで、おたがいに信頼しあいながら、在宅医療を進めていきましょう。