公開日 2018年05月01日
最終更新日 2018年07月31日
うつ病が疑われるときは、すぐに医療機関へ
こころの健康に注意しましょう
つらいことがあって気分が落ち込み、何もする気が起きなくなったり、何をしても楽しいと思えなくなることは誰にでもありますが、ふつうはいつの間にか元気を取り戻します。
ところが、こうした抑うつ状態がいつまでも続き、日常生活に支障が出てくる場合があります。
これがうつ病です。
うつ病は決して特別な人がかかる病気ではなく、誰もがかかるおそれがあります。
厚生労働省の調査によると、一生のうちに約15人に1人以上がうつ病を経験するというデータが出ています。
うつ病は適切な治療やケアを受ければ回復する可能性のある病気ですが、放っておくと日常生活全般にわたって消極的になり、とくに高齢期は心身が弱まりフレイル(虚弱)につながるおそれもあります。
うつの状態が2週間以上続き、日常生活にも影響が出るようでしたら、かかりつけ医などの医療機関やお近くの地域包括支援センターなどに相談しましょう。
こんな状態に注意しましょう
次の状態が2週間以上続いていたらチェックしてください
- □ 毎日の生活に充実感がない
- □ これまで楽しんでいたことが楽しめなくなった
- □ 以前は楽にできていたことができなくなった
- □ 自分が役に立つ人間だと思えない
- □ わけもなく疲れたような感じがする
出典:厚生労働省「基本チェックリスト」
高齢者はうつ病になりやすい環境にあります
年をとれば、身体的な衰えを感じたり、何らかの病気を患うことも多くなります。
社会や家庭の中で、今までできていたことができなくなることもあるでしょう。
配偶者や友人との死別など、親しい人、身近な人を失う経験も若いころより多くなります。
高齢期に直面しがちなこうした体験がきっかけとなって閉じこもりや社会的な孤立におちいり、うつ状態を強めていくケースが少なくありません。
うつ病は、最悪の場合、自殺にいたることがあるという点でも心配な病気です。
日本では近年、自殺者数が年間3万人前後の状態が続いていますが、その3分の1が60歳以上です。
他の先進諸国と比べても、高齢者の自殺が多い傾向にあります。
さまざまな難しさもある高齢期を、自分らしく元気に生き抜くためには、「うつ病にならない・うつ病を放っておかない」ことがとても大切です。